日々、資産運用のコンサルティング業務をしていて、最近、良く思うことがあります。人間にとって本当の資産価値とは何か?という疑問です。資産運用のゴールは、お金持ちになって、不労収入を得て、働かなくても良い生活を手に入れることなのでしょうか?私は決してそうは思いません。
資産運用のコンサルティングというと、現在年齢から、住宅費や教育費など必要な経費を算出して、豊かな老後生活を送るために必要な毎月の貯蓄額を算出するのが定番ですが、私はそれが良いコンサルティング手法だとは思いません。私がお客様と個別面談をするときに、まず一番最初に確認することが、その方の稼げる能力です。私が、仕事で稼げる能力が高いと判断した方については、少し無理をされてでも毎月の貯蓄額を高く設定することをお薦めしています。なぜならば、そのような優秀な方は、将来的に社内昇給や独立起業することで、収入が増える可能性が高いと思われるからです。逆に、稼ぐ能力が弱い方、特に女性の方で、結婚や出産によって、仕事を一定期間お休みする可能性のある方については、積立貯蓄を減額・停止することが可能な柔軟性の高いプランを薦めています。
こういう話をすると怒られそうですが、貯蓄や投資に回すお金は最初からなかったものとして考えた方が、老後により豊かな生活を送れる可能性が高くなります。人間はポケットの中に大金が入っていると、すぐに浪費してしまいますが、ポケットの中に少額のお金しか入っていない場合は、何とかその中からやりくりをして生活しようと心がけます。そして、更に収入を増やしたい、という願望も強くなります。「金持ち父さん、貧乏父さん」に書いてあるような不労収入が得られるのは、ごく一部の人達の話であり、ほとんどの人達は労働の対価として得られる就労収入によって生計を成り立てています。
日本は人口が減少していく中、長期的には労働力が不足していくのですから、若い人達に不労収入で生活していこうなどとは考えて頂きたくありません。労働で得られる報酬を上げるための努力、自分への投資を怠らなかった人達が、最終的には本当の金持ち父さん(母さん)になれるはずです。人間の資産価値は、持っているお金の量だけでは測れません。いつの時代も歴史に名を残している人達は、仕事で稼げる資格・能力、向上心、探究心を持っていた人達だと私は思います。
香港在住ファイナンシャルアドバイザー 木津 英隆 Email: hidetaka.kitsu@gmail.com
筆者ブログはこちら 香港FA木津英隆のマネーは巡る http://blog.explore.ne.jp/kitsu/

(シンセンスクエア)
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