前号の「人民元預金は有効か?」で、中国在住の多くの駐在員の方が、比較的金利の高い人民元定期預金を活用していることをご紹介させて頂きました。日本在住者の方でも、中国の銀行で人民元定期預金を開設することはできるそうです。しかし、これは一方通行的な投資であり、中国の銀行へお金を預けるのは簡単ですが、国外へ持ち出すときには海外送金規制がかかることになります。
すぐに現金化可能な資産として、一定の流動性を保ちながら、中国経済の中長期的な成長と人民元高の恩恵を受けるためには、中国A株ファンドと呼ばれる人民元建て株式へ投資するファンドを購入するという方法もあります。本日は、日本国内で購入する中国A株ファンドと、海外で購入する中国A株ファンドの比較をご紹介させて頂きます。
日本国内で購入できる代表的な中国A株ファンドは、「日興AM中国A株ファンドー黄河」が挙げられます。本ファンドの過去リターンは、以下の通りです。
3カ月:-12.31% 年初来:+58.84% 1年:+54.86 3年:+8.39% (年率)
一方、海外で購入できる代表的な中国A株ファンドとして、「Morgan Stanley China A-Share」をご紹介させて頂きます。本ファンドの過去リターンは、以下の通りです。
3カ月:-0.52% 年初来:+69.19% 1年:+106.68% 3年:+34.92% (年率)
上記2つのファンドを比較すると、特に、1年と3年の過去リターンで、日興AMと比べて、Morgan Stanleyの中国A株ファンドのリターン率が高くなっています。これは、ファンドの保有銘柄が異なるのと、日本の投信会社は手数料率が高いという問題もありますが、それ以上に影響が大きかったのは円高による罠です。中国経済はここ数年で大きく成長しましたが、バスケット通貨性を採用する人民元は米ドルと連動しているので、2006年9月時点で1人民元当たり15円前後だった為替レートは、13円前後まで円高が進行しました。
このため、約3年前に日本国内で中国A株ファンドへの投資を始めた方は、為替差損により、円建てのリターンを大きく下げる結果となってしまいました。一方、海外で中国A株ファンドを購入した方は、資産を円に戻す必要がありませんので、高いドル建てのリターンをそのまま保持することができます。いつかはドルを円に戻さなければならないかもしれませんが、円安に戻るまで、そのまま海外の口座でドルで保有しておけば良いのです。
このように考えると、海外株式へ投資するファンドは、海外で購入した方が手数料も安く、為替変動リスクをあまり気にする必要がないので、心の健康にも良いと言えます。
香港在住ファイナンシャルアドバイザー 木津 英隆 Email: hidetaka.kitsu@gmail.com
筆者ブログはこちら 香港FA木津英隆のマネーは巡る http://blog.explore.ne.jp/kitsu/

(シンセンスクエア)
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