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~トップインタビュー~ 藤田(中国)建設工程有限公司
投稿者: Webcrew_02 掲載日: 2009-7-3(4315ヒット)



藤田(中国)建設工程有限公司
華南地区代表 石原誠人氏

世界的な不況の中、様々な産業で前向きに困難を乗り切ろうとする企業とそのトップを紹介する企画の第2弾として藤田建設華南地区の代表石原誠人氏にお話を聞いています。厳しい経済状況の中、日夜日系企業の工場建設などに力を注いでおられ、激動する華南・香港地域の産業・経済が直面する困難や未来についてお答え頂きました。



Q1 先日、G8の財務相が「世界経済は安定化を示す兆候である」として、世界経済の最悪期は脱したという見解の一致をみたと発表しましたが、以前として雇用状況の悪化や先行きの不確実性もとりざたされています。しかし、概ね世界のトップの意見が回復基調であることを一致して発表しているのは経済の暗い時代にあって、明るいニュースともいえます。華南地域でも一刻も早い回復が待たれるところですが、こうした見解をどう感じていますか?

世界的にも不況からの回復が最も早いのは中国という見解がありますが、我々建設業にとってそれを実感することができるのはもっと後になるだろうと考えています。去年9月のリーマンブラザーズ破たんをきっかけに世界経済が一気に冷え込んでからというもの、各産業では売上が一気に落ち込み、つい先日はGMが長い歴史に幕を降ろしました。その後、トヨタ自動車が増産発表を行うなど製造業では回復の兆しが確かにあります。しかし、それはまだ始まったばかりに過ぎず、経済の回復が途中で腰折れしてしまうことも決してあり得ないことではありません。私共は主に製造業様の工場を作ることが仕事ですから、今現在増産計画が発表されたとしても新たな工場設立計画がすぐに立ち上がる可能性は極めて低く、そのタイミングはずっと後になることは間違いないでしょう。

従って、例え各国の財務相が世界経済は安定化を示す兆候と発表したとしても、現在は人、または経費の削減を緩めることはできません。今までのやり方では通用しなくなる時期が既に到来していることも自覚しており、そしてまた今後もそれが多かれ少なかれ続いていくのであれば、現場の厳しい状況を直視しながらそれでもなお厳しい流れの中で自分たちの新たな方向性を模索しつつ、あらゆる見直しをしていかなくてはなりません。おそらくここ半年~一年くらいはこのような状況が続くのではないかと考えています。

Q2 一口に建設業といっても、中国における事業としてはライセンスの問題、あるいは施工主である日系企業が求める要求やレベル、また現地建設業の状況との違いなどからも苦労されている点も多いのではと思います。もしそういった苦労話などがあればお聞かせ願いたいと思います。

私達は日系企業という看板を掲げている以上、やはり品質を度外視することはできません。お客様も当然のことながらそれを期待して私達を採用していただいております。その品質という領域で勝負して私達は物作りを行うわけですが、建設業の場合、製造業とは若干異なる性質を持っています。私達の建設業界では建造物を建設したらお金を頂いて、「はい、終わり!」というわけではなく、建設に付随するサービス的な要素も多々絡んできます。例えば製造業の場合、1つの設計図から同じ製品を大量生産し納品しますが、建設業では1つ1つのプロジェクトでそれぞれお客様の要求が異なり、そして設計図も様々です。このような個々の要求に応えるにはお客様へのきめ細かなヒアリングがとても重要になります。

ヒアリングは実際に建設作業の実行段階に移るまでできる限りの情報をお客様から聞き出すのがベストです。しかしながら、お客様の事情によりそれがなかなかできないことも少なくありません。このような時は建設作業を進めながら決定事項の優先順序を私達からお客様に提案しつつ、無理なくプロジェクトを完成させる柔軟性を私達が持たなくてはなりません。この柔軟性が「選ばれる建設業社」になるための重要な要素なのですが、こればっかりは一日にして得られるものではありません。やはりこれまでの経験値とノウハウの積み重ねによって実現する領域が非常に大きいと言えると思います。

そして積み重ねたノウハウは失敗からの経験も含まれています。お客様との信頼関係を構築しながら経験値とノウハウを同時に積み上げ、そして更なる技術向上を実現することで品質を高めていくという繰り返しこそが、我々にとって最も苦労している点だと言えるでしょう。この他、法規制の急な変更など中国特有の問題への柔軟な対応策をどれだけ持っているかということも経験値やノウハウなしには語れない領域だと言えるでしょう。


Q3 御社のPR点について簡単にお話いただけますでしょうか?

建設プロジェクトには様々な過程があります。設計から計画、実際の建設作業、管理、そしてアフタフォローに至るまで様々な過程を経て実際に工場が機能します。こうした過程は中国を含めた世界各国ではそれぞれの機能が独立して進められ、それらを取りまとめるのは施工主であるお客様になります。ですから、お客様にとってはこれらの独立した機能を提供する各業者を取りまとめるという大仕事をお客様自身がこなさなければなりません。

ところが、日本のゼネコンはアフタフォローに至る一連の過程を全て一貫して1つの窓口で対応するのが特徴となっています。これは世界基準から見ても非常に稀なことです。このように1つの窓口で全て対応できる建設プロジェクトのあり方は、お客様にとってはとても便利ですし、また個別の事情を深く理解した良きパートナーとして我々が機能することを可能にしています。弊社も当然のことながら、お客様の良きパートナー企業として相応しい建設業者となるには何が必要かを常に考え日々の仕事に励んでいますが、その中でも特に重視しているのはお客様との対話です。

お客様へのヒアリングの重要性は既に前述した通りですが、ここにもまた数多くのノウハウが蓄積されています。私達の強みは、お客様の要望をいかに引き出し、限られた予算の中でどれだけその要望に応えられるかの解を的確にご提示できることだと自負しております。


Q4 中国国内ではこれまでも生産設備の過剰問題が議論されてきていますが、経済危機後の中国の景気刺激策は一時的な需要の押し上げに過ぎず、長期的に見て生産過剰の状態に陥るのではと懸念する声も見られます。今後の製造企業が目指すのは質的向上を目指した循環型社会の求める高品質な製品の製造であるという考えをどう思われますか?

全くその通りだと思います。私達のお客様の殆どが製造業に携わっておりますが、何れのお客様も全く同じ意見です。単純にモノを大量生産する時代は中国でも終わりを告げる時期がもうすぐそこまで来ています。今日の世界的な不況の中で今後生き延びる企業は、独自の技術を持っていたり、あるいは付加価値の高いモノを要求以上に作り上げることが可能な企業です。そのような強みをしっかりと持てる生産体制を実現する工場作りこそが私達の使命であると感じています。


Q5 差し支えなければプライベートの時間などはどう過ごされているのかお話しください。

基本的に土日はお休みをいただいておりますが、土曜日はだいたい事務所で考え事をしていたり、現場に出かけたりする日が多いですね。日頃の忙しさから一時解放され、誰もいない事務所に一人でいる時はいろいろと深く考えを巡らせることができるので、ある意味とても貴重な時間です。それ以外はお酒が好きな方なので気の合う仲間と焼酎で一杯なんてこともしばしば。ゴルフは暫くやっておりません。

まだまだ厳しい状況下ではありますが、こうした地道な努力と日々の積み重ねが優れた日系企業を支えるもととなっていくと感じました。今後も華南地区における日系企業の礎となる拠点建設に尽力を注いでいただけることを期待致します。

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