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第11次五ヵ年計画 中間報告発表
投稿者: Admin 掲載日: 2008-11-27(3170ヒット)

非深セン戸籍人口が初めての減少、教育支出のGDPに占める割合が目標未達成…現在開催されている人民常務委員会で、深セン市の「十一五(第11次五ヵ年計画:2006-2010年)」に対する中間報告が審議された。人大計画予算委員会は「可処分所得平均」を「十一五」の新しい指標として導入し、世界同時不況による失業や治安悪化に対処していくべきだとの建議を行った。

深セン市人大計画予算委員会の王玲玲主任は報告の中で、「十一五」に対する中期報告を行うのは深センが全国で初めてである事に言及。深セン市政府は2008年初頭からこの「十一五」の現状評価作業を進めてきた。この報告は定性分析と定量分析を総合的に取り入れている上、調査サンプルには506企業と1,010名の深セン市民が参加しており、客観的に「十一五」の実施状況が反映出来ていると述べた。また、「十一五」計画の進捗状況は概ね良好であり、各目標項目はそれぞれ順調に進展している。「調和深セン・効益深セン」をスローガンとする全41項目は経過時間通りに、任務の半分を達成している。その内、2007年までに13項目がすでに前倒しで目標数値を達成、残り19項目も順調に進められていると報告した。

同時に、王主任はこの「十一五」実施状況に偏りがあり、手薄な分野も存在している点を指摘している。しかも、進展が遅い分野が民生、福祉関連部門である点を挙げ、深セン市の発展が未だGDPを主軸とする傾向を改め、今後は民生・福祉部門に注力し、経済のソフト環境の改善を推進し、政府部門は調和と協議を強化するべきだとの方向性を示した。

深セン市人大計画予算委員会は、金融危機による影響に対し、引き続き積極的な対策を採用し、この不況によって生み出される失業や治安悪化等の問題に素早く対処していくと提言。更に、衛生、教育、労働保障等の社会福利事業に財政支出を増やすこと、可処分所得平均等、人々の生活を表す指標を全体の目標数値とする事なども提案した。

ポイント① 非深セン戸籍人口が初の減少

市政府の発表した報告によると、深セン定住人口の増加は既に安定局面に入っている。全市の定住人口増加率は05年の3.3%から、07年には1.8%まで低下。非深セン戸籍人口の増加率は初めて減少し、07年は-0.07%。「十一五」が掲げていた、定住人口を900万人以下に抑えるという目標が達成される見込みが出て来た。

非深セン戸籍人口は減少したものの、09、10年2年間の人口増加率は1.3%以内になりそうだ。しかし、深セン市の制定した「2012年までに一人当たりのGDP成長率をGDP成長率よりも2%以上上回る」という目標を達成するには、毎年-1.74%の速度で人口が減少する必要がある。

深セン市政府が中間報告で示した具体的な人口調整政策は以下の通り:人口計画及び管理を強化徹底する。産業転換が人口に及ぼす重大な作用を充分に発揮し、産業構造の改善により人口を抑制する。教育・職業訓練を強化し、人々のレベルを上げる。健全な管理により新生児増加を抑える。広東省内の農村地帯から来る人々の労働力比重を上げる。市内の専門学校や職業訓練校は、毎年広東省東部、西部及び北部山岳地帯の学生を、全受け入れ学生のうち30%を占める事を目標とする。特区内の人口密度を緩和する。特区外の人々の教育水準を上げる。

ポイント② 「平均可処分所得」を計画の目標数値として導入

深セン市政府は報告の総括で、「十一五」を実施して以来、深セン市経済の実力及び経済効率は共に上昇、産業構造と産業分布は共に改善、社会管理と公共サービス能力は共に強化、都市化の進展と環境生態都市建設は共に加速し、深セン香港間の経済協力と地域協力は共に開拓された、と述べ「十一五」は大きな成果を挙げている、と締めくくった。

これと同時に、政府は「十一五」実施における問題点にも着目。全41項目のうち、進展が思わしくないものが6項目存在する。例えば、GDPに占める教育関連支出は07年計画より34.4%下回る。同じく07年の実績で、汚水の処理及び再利用率は35%、山林の被緑率16%、病院のベット数30%、計画を下回った。報告ではそれぞれ個別に分析を加えている。まず、教育支出に関しだが、深セン市の教育支出増加率はGDP成長率を若干上回るものの、「国と財務体制が異なるため、目標数値を達成するのは困難」としている。汚水処理及び再利用率だが、これは汚水の再利用は始められたばかりで、汚水処理設備やネットワークがまだ完備されていない事が理由だ。山林の被緑率が未達成という事は、深セン市は自然保護のネットワーク体制や自然保護区、生態環境地区等の建設を強化する必要がある。また、病院のベット数だが、大病院の建設は長期に及び、開業が予定よりも遅れている病院があるためだという。

深セン市人大計画予算委員会では、これら上記の結果は深セン市の経済発展の速度と市民の社会福利拡充の間に差があることを示しており、原因の根本には未だにGDPを主軸にした発展方針があると指摘。市政府へ財政支出をもう一度見直し、経済発展と民生・福祉の問題を解決すること、また「可処分所得平均」を新たに計画の指標として導入するよう提言した。

ポイント③ 税金の優遇措置実施を提案

市政府中間報告の追加資料として、深セン市発展と改革委員会(以下、発改委)が深セン職業技術学院へ依頼した研究調査報告でも「十一五」実施に対する一連の提案がなされた。この報告では、経済のマクロ調整の組織化、産業構造の改善、循環型社会建設の推進等を建議された他、税金の優遇措置政策を実施し、深センの独自技術の開発やイノベーションを政策面からも支援する事を提案している。

深セン職業技術学院による報告書では、深センにある最先端技術企業へ課されている「生産型増値税」を「消費型増値税」とし、これら企業が利益を直接資本金に組み入れられるようにする事、また深センで新たに最先端技術企業が5年以上に及ぶプロジェクトに投資する際、既に支払済みの企業所得税を還元する事、等を提案している。この他、最先端技術企業のボーナスや職員に与える株式への所得税を免除すること、これら社員が得る配当金や株式売買によって発生する所得を認める事で、深センの技術産業を推進するよう提言している。

(シンセンスクエア)

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