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独禁法施行 自動車価格に変化
投稿者: Admin 掲載日: 2008-8-5(4104ヒット)

自動車購入を検討している劉勇さんは、ここ数日嬉しさを隠せない。彼が目をつけていたトヨタ社「カムリ」の価格が2万元も下がっているのだ。更に彼を驚かせたのは、元来各販売店は統一価格による販売を行っていたのだが、それも開放され、同一車種でも販売店によって価格に格差が生じているのだ。店舗のセールスマネージャーは劉さんにこう説明した。「8月1日に<<独占禁止法>>が正式に施行されたことにより、以前のように深センの販売店連盟及びメーカーが各自動車の販売価格を相談して決めるという習慣が今後はなくなります。」

深センの大型販売店及び代理店で取材を行った。本来、競争の厳しい自動車業界はこの度の<<独占禁止法>>施行の主要な対象ではなかったのだが、思いがけず自動車業界の反応は早かった。今まで実施されてきた代理店同士での価格制限は今後存在せず、更に自動車セールスの地域制限は一切取り消され地域を跨いでの販売も可能になる。業界関係者の分析によると、深セン及び全国の大型自動車消費地にとって、今回のこの<<独占禁止法>>の施行は自動車市場の再構築を加速させ、深セン自動車販売網へも変革がもたらされる見通しだ。

「自動車価格」  一部代理店では‘投売り’も

<<独占禁止法>>施行によって、一般市民最大の関心事「自動車価格」は果たして下落するのだろうか?業界関係者によると、今まで自動車価格はいわゆる‘地域制限価格’政策により縛られており、もし代理店が規定より低い価格で販売した場合は厳しい処罰を受けた。しかしこの度の<<独占禁止法>>第14条第2項規定では、経営者が取引相手に対し第3者へ商品を転売する際の最低価格を制限することを禁止している。これはつまり、自動車メーカーは直接消費者に対しての価格決定が出来ないという事を意味し、自動車メーカーが代理店に対し最低価格制限をすることは明確な独占行為とみなされるのだ。これにより、メーカーが各代理店に対し実施してきた最低価格制度は過去のものとなり、メーカーの小売指導価格も実際意味をなさなくなってくる。

これに対し、深センの自動車市場を取材したところ、すでに多くの車種で価格に変化が生じている。中でも昨年値上され一台20万元以上もした車に対しても2万元以上の値下げがされており、凱越(上海BUICK)やエラントラ(現代)等の車種でも相次いで値下げが行われ、同一都市内の代理店制限価格制度は、すでに過去である事を示している。

広州トヨタの馮興亜副総経理は、この<<独占禁止法>>施行後の1,2ヶ月間、多くの代理店で自動車の‘投売り’‘大幅値下げ’が実施されるだろうと見ている。こうすることで各代理店は溜まった在庫を整理するのだが、しかしこれも一時的な状態で、マーケットは徐々に理性を取り戻し、しばらくすれば平常の状態に戻ると見ている。

自動車販売代理店大興通商の鄭志軍総経理は以下のような見通しを発表した。需要と供給間の矛盾が価格を変動させる主要な原因であるが、今年下半期は供給過剰による買手市場の中、価格の値下げは自動車販売を牽引する主力要素となるだろう。しかし、生産コストの上昇と消費税の調整という情況下、価格はまだしばらく短期的に変動が見られるだろう。

「自動車マーケット」  自動車業界関係者-情況は厳しい

国家発展改革委員会価格監視測定センターによると、今年6月末までに国内未販売新車在庫台数は17万台、昨年比50%も増加しており、在庫量はこの4年来で過去最高となる。深セン自動車管理局の統計資料によると、今年6月の自動車登記数は7408台のみであったが、昨年6月の登記数は21000台を超えてた。

数日来、市内の自動車販売店で取材を重ねているが、共通して得られる回答は「情況は厳しい」というもの。販売利潤に対しても多くの販売店では「元金維持」が出来ればという情況。「現金のやりくりがなんとか出来ればよしという感じです。今はまさに‘越冬期’顧客を増やし、アフターサービスにも力を入れられるようになれば、なんとか生き残れるだろうと思っています」

深セン標遠、深業自動車等の代理店調査で分ったことは、2008年自動車マーケット全体の停滞は第1四半期時点で兆候が見られていたが、4月以降形勢悪化は更に加速。6月、深セン市では史上最大規模の自動車ショーを開催したものの、売り上げ低下に歯止めはかからなかった。

「販売店の赤字はもう必至ですよ、2004年より悲惨な販売体制の見直しは避けられないでしょう」自動車販売店の張社長(仮名)は取材に対しこう答えた。目下、彼の販売店在庫量は月間販売量の約2倍にも達している。通常、在庫量は月間販売量の1.2倍程度が望ましいとされる。販売不振は回転資金にも影響を及ぼし、加えて銀行の貸し渋りもあり、現在販売店では資金ショートの危険性が最大の問題点となっている。

深セン車城網の市場調査結果によると、自動車販売の不振に伴い、深センの代理店、販売店では一様に余剰在庫の問題を抱えている。一部代理店の在庫量はすでに警戒ラインを超えているとの情報もある。

「自動車業界」 一部代理店の倒産も

<<独占禁止法>>実施後、地域価格制限がなくなり販売店同士の‘価格戦’が始まればどうなるか。どこの販売店が安いか?と消費者は比較を始める、結果1車種の値下げがすぐにその他の車種、販売店への圧力となり、ドミノが一つ一つ倒れていくように大規模な値下げ合戦へと発展するだろう。同時に、4S店(自動車販売代理店)の経営体制も再構築が求められる。

事実、こうした業界への影響はすでに顕在化している。先日、とある小規模の4S店は営業コストの上昇、同業との競争激化、利潤の低下等の圧力に耐えかねて閉店に追い込まれたという。

「販売店の倒産は自動車業界整理統合下の当然の帰結といえるだろう。これは中国の自動車市場をさらに成熟させ、良好な発展を促すための過程でもあるはずだ。」と前出の張社長は言う。これに対し、深セン市自動車代理店協会の代表は以下のように述べている。以前、代理店はまさにメーカーの子供のような存在だった。望む望まざるに関わらず、常にメーカーの管理下におかれていた。今後は、メーカーの管理から離れ、いままで子供だった我々は市場の中でもがき苦しむこともあるだろう。自らの実力のみに頼って生存していかなくてはならないのだ。こうなることで、深センに現在180ほどある4S店中、一部経営不振の店舗は徐々に閉店していく可能性がある。また、一部メーカーの商品も代理店販売網の縮小により深セン市場での販売数減少も予想される。また、別の視点から考えるとこうした厳しい再構築を経ることにより、深センの自動車販売モデルは健全化し、現行の高コスト・高投資型の経営方式の改善も期待できるだろう。

中国自動車流通協会の陳東昇副秘書長は以下のように述べている。「我々は自動車業界の再構築を積極的に支持する。車市場を優勝劣敗の正常な市場とすることで、市場経済のルールを理解せず、依頼性の高い代理店を一掃する。これは自動車代理店全体の経営レベル底上げのための‘洗礼’とも言うべき良いチャンスといえる。」

<<独占禁止法>>消費者への影響

メリット:安く地域外の車が買う事が出来る

<<独占禁止法>>では、最低価格の設定は出来ないと規定している。今後、代理店は自動車価格の決定権を持つことが出来、消費者はより安い自動車を買うことが出来るだろう。この他にも、<<独占禁止法>>では経営者が販売市場や購買市場を限定することを禁止している。これにより、現行の地域外での自動車購入禁止規制も実質の廃止となる。

デメリット:遠隔地販売実施によるアフターサービスの低下

最低価格規制に対して、ある弁護士は「自動車価格は市場に従うもので、メーカーが自社製品に対する統一価格決定権を持ち、指導価格を出すことは‘価格連合’とは異なる」と指摘している。奇瑞自動車広報部では「もし自動車メーカーが価格規定を実施しなければ、異なる地区に住む消費者に対して不公平となる」という意見を表明している。


遠隔地販売の禁止に対して、広州トヨタ関連者によると、この規則は自動車市場の混乱を防止し、消費者の合法的な権益を保護する有効な手段だったという。北京広汽航天自動車販売会社責任者は「販売競争の激化により、販売代理店の自動車販売による利潤は低い。店舗のほとんどがアフターサービスによる収入に頼っているというのが現状だ。もし自動車を遠隔地へ売れば、アフターサービスの実施はほぼ不可能だろう」との認識を述べている。

深センの自動車専門メディア「深セン車城網」は4日ウェブ上 で2008年の上半期自動車マーケット情況を報告している。この報告は専門的且つ多角的に自動車販売状況、マーケット停滞の様々な要因に対する分析を加えている。また、今年下半期の自動車マーケット全体に対する展望も発表している。

(シンセンスクエア)

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