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モダンアートと水墨画の協奏曲
投稿者: Admin 掲載日: 2006-12-15(5600ヒット)

深センの美術活動の中心ともなる「第5回国際水墨画展」が12月11日にスタートしました。会場となるのは、深セン美術館、深セン画院、何香凝美術館、関山月美術館の深セン市内の4つの美術館で、展覧会は来年1月10日まで開かれる予定です。

今年の展示は、5つのそれぞれ違ったテーマを含んでおり、前回よりもスケールが大きくなっています。それぞれのテーマは「水墨画とデザイン」、「墨ぼかしの伝統」、「水墨、生活、趣味」、「都市の水墨画」、「現代シンガポール水墨画」として、内外からの参加者は20もの国や地域の250名以上の芸術家が参加しています。

各テーマごとの特色によって展覧できる会場も分かれていますので、その分量の多さと共に、美術館巡りのできる大規模なイベントです。各会場とテーマの特色については次のようなものになっています、

「水墨画とデザイン」、「現代シンガポール水墨画」を展示しているのは関山月美術館です。40名以上のデザイナーによる60作品が展示された「水墨画とデザイン」の部門では、デザイナーが伝統的水墨画の表現手法を探求することを目的としたため、水墨画の力強さや奥深さを余すところなく表現させることができたと主催者の一人である画家の董小明(Dong Xiaoming)画伯は語りました。

また本来現代デザインと伝統的水墨画は二つの違ったジャンルです。第4回国際水墨画展(2年に1度開かれており、前回の展覧会)では国際的に歓呼される10名のデザイナーを招待し、この二つのテーマを「デザイン水墨画」とした新しい部門として初めて融合させようと試みました。その結果、この実験的テーマが他に類のない価値を持ったものであるのを悟り、このテーマの方向性を維持する事を決心したと董小明画伯は述べています。

関山月美術館ではもう一つのテーマである「現代シンガポール水墨画」も展示されています。こちらは、8名のシンガポール在住芸術家の37作品が展示されています。その中の1人で最高齢83歳の林子平(Lim Tze-peng)は現在も定期的にバリ島を訪れて絵を画き続けています。また他の7人の芸術家は1940年代以降の生まれで、中国から移民した第一世代である施香沱(See Hiang-too)、范昌乾(Fan Chang-tien)や陳宗瑞(Chen Chong-Swee)の弟子です。

伝統的な画法による水墨画も、美の概念を合流させる事で発展し、多様な文化的背景のシンガポールで実践する事によって発達してきました。というのも現代シンガポール水墨画は東南アジアの風景をテーマや題材としており、その水墨は稀に見る文化としての広がりが国際的に通用する事を証明しているのです。

一方、深セン美術館にて展示されているのは「都市の水墨画」をテーマにした中国及び海外からの作品126点です。展示会の立案者である魯虹(Lu Hong)氏は、「都市の水墨画」は、この分野で活動している世界中の多くの芸術家がいる事や現代美術用語として受け入れられるようになると信じていると語っています。

更に深セン画院においては「墨ぼかしの伝統」としたテーマに沿って、張立辰(Zhang Lichen)、周凱(Zhou Kai)、林海[金中](Lin Haizhong)、朱新建(Zhu Xinjian)、顧震岩(Gu Zhenyan)、盧輔聖(Lu Fusheng)、丘挺(Qiu Ting)の7名の著名画家による60作品が展示されています。この展示での狙いは中国伝統水墨の現状と発展についてを表現したものとなっています。

こちらの展示の立案者である産善□(Yan Shanchun)氏は、「最も活動している著名な水墨画家の中の呉昌碩(Wu Changshuo)、黄賓虹(Huang Binhong)、呉湖帆(Wu Hufan)、潘天寿(Pan Tianshou)は江蘇省や浙江省に住んでおり、この地域は伝統的なぼかし技法の重要な拠点となっていると考えられる。」と述べています。またこの展示における芸術家のほとんどは産氏が名を上げた著名な水墨画家の弟子であると共に、江蘇省や浙江省の伝統的水墨画に由来する人たちです。

最後に何香凝美術館で行われている「水墨、生活、趣味」と題した展示では、中国内外より60名の芸術家の100作品が展示されています。

展示会立案者のドイツ人美術評論家で東洋美術研究者のMartina楊博士によれば、この展示会は技術や伝統的水墨画にこだわらない芸術家達の嗜好概念により先導されたものであり、展示会のコンセプトは芸術家達の技術よりもむしろ彼らの精神面な部分を重視することで発展したと話しています。

こちらの展示では写真、ビデオ、彫刻、装飾のようなバラエティに富んだ媒体を用いた作品を含んでいます。また日本を代表する現代アーティスト、小沢剛氏も作品を展示しています。1965年の東京生まれ。1991年に東京芸術大学大学院を修了した後は、アジアン・カルチュラル・カウンシルの招聘によりニューヨークにて活動。「Cities on the Move」(1997)、「台北ビエンナーレ」(1998)、「第1回福岡アジア美術トリエンナーレ」(1999)、「第2回ベルリン・ビエンナーレ」(2001)、「横浜トリエンナーレ」(2001)、「第8回イスタンブール・ビエンナーレ」(2003)、「第50回ヴェネチア・ビエンナーレ」(2003)など国内、国際的な展覧会への参加を行ってきました。

特に1987年から10年をかけて中国、タイ、チベット、パキスタン、イラン、イスラエル、ロシア、トルコ、ブルガリア、ギリシャ、バルセロナ、アメリカ、メキシコを巡る旅を果たし、その地に泥や紙でつくった地蔵を建立しました。実はこれは彼の世界中に地蔵を立てるプロジェクト「地蔵・建立 Jizoing」のパフォーマンスです。最初の地、中国は上海で買ってボロボロになるまで使ったというノートブックを複写したものが、本として出版されています。

  • 小沢剛世界(ワールド)の歩き方2000年版(イッシプレス社)

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    そんなユーモラスな皮肉に満ちたパロディ作品ですが、そこに既存の文化や美術制度への批判と共に美術を心から愛する信念を感じ取ることができます。そうしたが彼独特の表現方法は内外から高い評価を得ており、ここ深センにおいても展示される運びとなりました。

    小沢氏の作品には他に、世界最小の「なすび画廊」、画廊をデリバリーする「あいあい画廊」「ミルク道」「醤油博物館」など、興味をそそられる作品群が数多くあります。

    深セン市にある美術館はどれも美しく、貴重な作品も数多く収蔵されています。日常の喧騒を逃れて、美術館で過ごす時間は安らぎを与えてくれると共に、今まで関心のなかったものに目を向ける機会ともなるでしょう。各美術館は深セン市内各地域に点在しています。美術館によって違うテーマをご確認の上お出かけ下さい。


  • 関山月美術館

  • 開催テーマ:「水墨画とデザイン」「現代シンガポール水墨画」
    Address:深セン市福田区紅茘路6026号  開館時間:AM9:00~PM17:00  地下鉄:4号線 出口B  バス路線:10、K12、14、25、34、105、215、228、111、322、238、350、371  入場料:10元 金曜日は無料です。

  • 何香凝美術館

  • 開催テーマ:「水墨、生活、趣味」
    Address:深セン市南山区華僑城  開館時間:AM9:30~PM19:30  バス路線:N1、N4、N5、N6、21、26、32、54、59、79、101、105、109、204、209、210、222、223、232、234、245、301、319、327、328、338、350、365、370、373、390  入場料:20元 金曜日は無料です。

  • 深セン美術館

  • 開催テーマ:「都市の水墨画」
    Address:深セン市羅湖区愛国路東湖一街32号  開館時間:AM9:00~PM17:00  バス路線:3、17、365、351、336、29、300、106、320、372、208 東湖公園大門前  入場料:5元 金曜日は無料です。

  • 深セン画院

  • 開催テーマ:「墨ぼかしの伝統」
    Address:深セン市銀湖路金湖路口  Tel:(0755)8241-4497 Fax:(0755)8241-4497  バス路線:4、5、7、201、218、222、301、360、315(大巴) 405、409、410、433、458、475、511、537(中巴) 銀湖車站


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