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深⇔港を毎日通学する子供達
投稿者: Admin 掲載日: 2007-9-10(5890ヒット)

およそ5,000人の香港の子供たちが深センの学校で現在勉強している一方で、深センに住む香港人の子供達約5,000人の子供たちも特別行政区(SAR)で勉強するために毎日境界を横断していると中国語の各地元新聞が昨日報道しました。

南方都市報は、香港出入国管理局の統計を引用し、およそ60万人の香港人が本土の各都市で永住しており、そのうちの25パーセントの15万人は深セン市であると伝えています。このうち子供の数はおよそ4500人であると伝えられています。

深センの学校に通う香港人の子供たちの殆どは全寮制の学校に通っています。香港ビジネスマンの息子、Chen Lingjian君は南山中英文学校(白石州)に通っていますが、通常月曜日から金曜日までは学校で生活し、週末や休暇の日は香港に戻る生活を送っています。

「週末は香港にいるので、月曜日の朝が一番忙しいですね。午前8時前に学校に到着しなければならないので朝は5時に起きなければならないんです。」と語るChen君。何だか東京近郊に住むサラリーマンのような口調ですね・・・。

一方、深センに在住する香港人の子供達の多くは、香港の新界と元郎の学校に通うために、毎日境界を横断しています。これらの地区には、深センから約3,500人の香港の子供達が通学しています。

深センの小中学校の卒業証明書は香港では認められていないことから、多くの香港人の両親が自分達の子供が小さいときから香港の教育制度の下に教育を受けさせることを望んでいます。

統計によると近年の香港の出生率が低下しており、向こう30年で香港の人口に対する子供の比率が22.7パーセントから18.2パーセントに低下することが示されています。こうなると、SAR外からも積極的に学生を呼び込んでいかないと学校経営が成り立たなくなってしまうという危惧が懸念されます。

事実、香港では数年前から生徒数が足りないために学校が閉鎖されるケースが相次いでおり、2005年には14の小学校がこのような理由で閉鎖しています。

このため、香港の教育機関は今年になってより積極的に深センからの生徒を獲得しようと様々な活動を活発に行っているのが目立ってきています。南方都市報によると、香港の学校合計13校が深センに在住する香港家族の子供達を獲得しようと今月8日にプロモーションイベントを行いました。

このプロモーションイベントは深セン在住の香港人家庭に奉仕することを目的として、深セン総合家庭服務中心が中心となり、深港国際婦女総合服務香港事務局との共同で組織されました。

主催者側の話によれば、今回プロモーションイベントに参加した13校はいずれも新界と元郎の北区内にあり、深センからの生徒は既に3,500人程が通学していると発表しました。

羅湖区から通う双子のWang XiaolingちゃんとWang Xiaoyingちゃんの父親は、マカオで働いている香港人ですが、娘の2人は羅湖チェックポイントを横断し、始業時間が午前7時20分の学校へ通うため毎朝6時に起床しているそうです。通学ルートはいつもはスムーズだけれど、たまに混んでいて学校に遅刻してしまうこともしばしばあると2人は晶報のインタビューに答えています。

また同紙では、深センでの教育制度に不満を持つ親御さんたちの声も伝えています。6歳(1年生)の娘を香港の小学校に通わせている母親のZhouさんは、「2つの都市には、全く異なる教育制度があります。深センでの教育は単なる学校の成績を重視する教育ですが、香港では子供の能力を伸ばすことに重点を置いています。深センはもっと香港の素晴らしい教育制度を見習うべきです。」とのコメントを紹介しました。

また、Zhouさんは、「例えば学校でコーラスグループを編成する際、深センの学校では成績が優秀な子や見た目がいい子が優先されます。でも香港では子供達が自分に関心があるクラブを自由に選択することができるんです。子供達は皆平等に扱われており、これは子供達の成長にとても重要なことだと思います。」と語っています。

同紙によると現在深センには約5,000人の香港人の子供がおり、その殆どが毎日境界線を越えて香港まで通学しています。

今回のプローモーションは8月以来2回目の開催でした。、最近、香港の学校で生徒数が減少しているのを受けて、各校は深センに在住する香港の子供の獲得に積極的に取り組んでいるのが伺えます。特に深セン市に近い香港の北側では地理的な条件が良いことからかなり積極的になっていると言えそうです。

さて、様々な事情で境界線を越えて通学するイマドキの子供達ですが、深セン日報の調査によると、深センと香港の間を往復している子供たちは5つのカテゴリーに分類されると伝えています。

1.深センに住んでいるが、香港で働いている両親を持つ子供達。彼らまたはその家族は香港の永住権を持っていますが、生活費が安いことから深センで生活しています。彼らのほとんどは、福田区蓮塘、あるいは羅湖区皇崗で生活しています。

2.深センで起業している両親を持つ子供達。子供達が特別行政区で9年間の義務教育受けることを望む香港人の両親を持つ子供達。

3.香港人の父親と本土出身の母親を持つ子供達。

4.香港に親戚がいる深セン住民の子供達。

5.両親は香港人ではないが、香港で生まれた子供達。


このように様々なケースがありますが、子供が毎日境界線を越えて学校へ通うなんて私たち日本人が考えるととても想像できないことだと思いませんか?彼らたちに同情できる日本人がいるとしたら・・・東京都心に仕事を持ち、電車で数時間のベットタウンから通勤するマイホーム派サラリーマンといったところでしょうか。では、ここで彼らの生活ぶりをちょっとのぞいてみましょう。

Magginさん(11)は羅湖区翠竹路沿いにある自宅で毎朝6時に起床して学校に出かける支度を始めます。午前6時40分にはスクールバスに乗って羅湖チェックポイントへ向かいます。Magginさんはここから香港に渡り、午前7時40分には上水にある彼女が通う香港の学校に到着します。1時間目の授業は8時10分から始まります。

学校が終わるとMagginさんは元来たルートを戻って午後4時には羅湖チェックポイントに到着します。帰りはMagginさんのお母さんがチェックポイントまで迎えに来るので、そこから2人で帰宅します。

これが過去2年間のMagginさんの日課です。Magginさんのお父さんは香港ビジネスマンで、Magginさんは香港住居許可証を所有しています。Magginさんのように香港の教育機関で教育を受けるために毎日境界を行き来している子供達はおよそ5,000人いると深セン商報は伝えています。

同様に、深センの学校に通う香港の子供たちも約5,000人おり、これらの殆どが父親が香港人、母親は香港居住許可証がない中国本土出身だそうです。中には両親が香港居住許可証がありながらも、ここ深センでビジネスをおこなっているために深センで生活している家族もいます。

多くの両親がここ深センから特別行政区(SAR)の学校に子供達を通わせる理由は、香港の教育制度が深センよりも比較的先進的であることが主な理由です。16歳のZhuangさんは小学4年生からずっと香港まで通学をしています。彼女は将来SARの大学に合格し、将来良い職業に就くためにはやはりSARの教育を受ける必要があると感じていると話しています。

香港の学校に通い始めた頃の話を伺ったところ、「最初は授業で使われる繁体字も英語にも戸惑っていたけれど、今では問題ありません。英語も流暢に話せるようになりました。」と元気に答えてくれました。

ただ、通学に長い時間を費やさなければならないため、夜充分な睡眠がとれないのが唯一の悩みの種だそうです。

一方、「深センの学校はとても広いので勉強するのが楽しいです。」と語るのは羅湖区のElite Middle Schoolに通う香港人のDeng Yixunさんです。Dengさんは2003年以降深センの学校で勉強していますが、Dengさんが深センの学校に通い始めた時、彼はまだ13歳だったそうです。1997年に設立されたこの学校は、羅湖区で初めて香港の子供たちを受け入れた学校法人でした。現在、この学校では香港人の子供だけを集めたクラスが2つあり、合計90人くらいの香港人生徒が学んでいます。

Dengさんに当時の深センの印象を尋ねてみたところ、「僕が2003年に初めて深センに来た時の印象はあまりいいものではありませんでした。公衆トイレは汚れていて、またセキュリティーも決して安全とは思えませんでした。また、道を尋ねても丁寧に教えてくれる人もおらず、不親切な街だなあ・・・って」思ったのだとか。

「でも今はたくさんの友達もできましたし、この街の殆どの場所を知っています。」とDengさんは深センがすっかりお気に入りの様子でした。

Dengさんは毎週金曜日の午後5時半に深センを出て香港の自宅に午後7時に到着します。

「深センの友達は、いつも僕が香港から戻ってくるたびに何か持って来てくれと頼むんですが、僕はいつも携帯ティッシュの"Tempo"を持って来てあげています。越境警察官にばれなければいいんだけど・・・」と少し可笑しそうな顔をして笑いました。

いろんな事情があって深センと香港を毎日行き来する子供達。いつかもっと自由に行き来できる日が来ることを待ち望んでいるに違いありません。


(シンセンスクエア)

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